株主の皆さまには格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、2024年4月1日から2025年3月31日までに至る当社グループの営業の概況をご報告申し上げます。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善及び、円安によるインバウンド需要の回復により、個人消費や企業の設備投資の増加基調が持続し、景気は緩やかな回復基調で推移しました。しかしながら、世界的にはウクライナ情勢の長期化に伴う資源、エネルギーの高騰や物価の上昇、また世界的な金融引き締めや円安の進行など、依然として先行きは不透明な状況が続いております。特に当社に最も影響を及ぼす2024年の住宅着工戸数は792千戸(前年比3.4%減)で2年連続の減少であると同時に、リーマンショック後の2009年以来、15年振りの80万戸割れとなりました。また、2024年は首都圏ほか3大都市圏及びその他地域も、分譲住宅のうち分譲マンションは102千戸(同5.1%減)と低水準が続きました。
このような状況の中、営業面では、今年のテーマである輸送の効率化と、建設現場での間配りや取付施工の省力化に取り組みました。また、生産面では、工場の各ラインの省力化、効率化のため、フラッシュドア工場として基幹である接着工程への新設備の導入と、材料費の削減に成功いたしました。
一方、中国においては、新型コロナウイルス感染症の影響の沈静化と、同時に不動産開発業者に対する総量規制(通称、3つのレッドライン)は実質撤廃されておりますが、中国政府の不動産対策も、効果は限定的なものに留まっております。そこで当社は、従来の不動産開発業者に対する販売チャネルに加え、代理店販売、及び商業店舗向け商品の販売会社である日門(昆山)建材科技有限公司も順調に立ち上げました。
なお、2020年2月頃の新型コロナウイルス感染症発生からの約4年間、中国全土における営業活動の停止による様々のアクシデントは、想像を超えるものがありました。コロナ禍に続く不動産業者に対する総量規制は、一流企業、国営企業を問わず与信不和を呼びました。
このような状況の中、世茂集団の資金繰りの悪化による回収遅延により、当期の決算において世茂集団向け債権について、貸倒引当金を計上し、貸倒引当金繰入額24億11百万円を特別損失として計上いたしました。
また、債権回収の一環として代物弁済にて投資不動産を取得してまいりましたが、中国不動産市場の経営環境が不透明なため、当期の決算において、不動産鑑定評価額等を取得し、時価が簿価を下回っている全ての投資不動産について減損損失11億52百万円を特別損失として計上いたしました。
以上の状況の中、当社グループにおける当連結会計年度における売上高は、239億76百万円(前年同期比7.4%減)、営業利益は、7億74百万円(同48.3%減)、経常利益は、11億2百万円(同42.3%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は、27億92百万円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純利益13億29百万円)となりました。
今後とも当社グループ一丸となって企業価値の向上に努めてまいりますので、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。
代表取締役社長
髙橋栄二